多変量解析法
HIGOMARI®について
新たな多変量解析法を用いた受託解析サービス
弊社では、あらゆるデータの特徴を取り出し、異種データであっても関係性のあるデータをグルーピングできる多変量解析法「HIGOMARI®」を開発しました(特許第7660782号、他)。
この解析法は、弊社が取り組んでいる生物遺伝資源(主に植物遺伝資源)分野を含め、経済や金融、マーケティング、物流などのさまざまな領域においても、新たな特徴選択(※1)やクラスタリング手法(※2)としての活用が期待されます。この汎用性と非常に高い視座が評価され、「第28回(令和6年度)熊本県工業大賞」を受賞しました。
本解析法を用いた受託解析サービスを、2025年1月より開始いたしました。また、2025年11月には、Topological Modularize機能を追加して高機能化しました。
- (※1) 特徴選択:複数のデータに含まれる要素のうち、意味のある要素のみを選択する手法
- (※2) クラスタリング手法:複数のデータに含まれる要素を、特定のルールに基づいて分類する手法
英語版はこちらからご覧いただけます。
HIGOMARI®とは
HIGOMARI®は、多変量解析の一種である相関ネットワーク解析(※3)に、偽陽性要素(※4)の除外および偽陰性要素(※5)の取り入れを追加した解析法です。これにより、解析精度と機能性が向上し、これまで見えなかった関係性をより正確に見ることが可能になりました。
HIGOMARI®という名称は、解析によって作成されるグルーピング図が熊本の伝統玩具「肥後まり」(手まり)の精緻な美しさを想起させることに由来しています。
- (※3) 相関ネットワーク解析:複数の要素間の相関関係を基に、それらの要素をネットワークとして可視化する手法
- (※4) 偽陽性要素:一見関係性があるように見えるが、実は関係性の無い要素
- (※5) 偽陰性要素:関係性があるにもかかわらず、不採用になってしまう要素
HIGOMARI®の特徴
従来の解析法は似た要素を近くに配置する(従来法1)/つなぐ(従来法2)ことにとどまり、単純な関係性しか見ることができませんでした。
HIGOMARI®は従来法2の後、さらに独自アルゴリズムを用いた2段階の解析を追加することで、高い精度で関係性のある要素をグルーピングします。
- (※6) PCA:分類したい要素の分散が最大となる方向を見つけ出し、それを新たな軸としてデータを変換し、データ構造を可視化する手法
1段階目の解析:FPO(False-Positive-Out)
従来の相関ネットワーク解析で作成したグループから、一見関係性があるように見えるが実際に関係性の無い要素(偽陽性要素)を除外します。
従来の手法では解析できなかった膨大な数の要素も高い精度でグルーピングすることが可能になりました。
2段階目の解析:FNI(False-Negative-In)
類似性のみで判別できない、FPOで漏れたものの潜在的に関係性のある要素(偽陰性要素)をピックアップします。
従来の解析で見落とされてきた関係性も正確に知ることができるようになりました。
2つの解析を組み合わせることで構成要素が重複しない、独立したグループが構築され、より事実に即した解析結果を提供できるようになりました。
オプションサービス
HIGOMARI®にTopological Modularize機能を追加しました。
これにより、FPO解析で得られた各モジュールの形成過程は可視化され、これまでの同モジュール内要素の関係性評価に加え、各モジュール間の関係性も評価できるようになりました。
(※7)VFスコア:要素がモジュールと排他的に密に繋がっていることを表す指標
その他HIGOMARI®は以下の特徴があります。
- 要素の条件が揃っていれば、種類、単位、スケールを問いません
- 要素は異種・異質データも組み合わせ可能です
- 設定する値は想定のグループサイズの範囲のみであり、統計的な手法を用いて最適なグループが自動的に構築されます
- グループサイズは調整可能であり、グループ間での要素の重複はありません
- ライフサイエンスの限らず、経済、金融、マーケティング、物流など様々な分野において利用可能です
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